アメリカでトップクラスの美食都市と聞いて、あなたはどこの都市を思い浮かべますか?
ニューヨークやロサンゼルスの大都市?
パンケーキやアサイーボウルが有名なブランチ系飲食店が日本にも軒並み進出している、ハワイ?
実は、2015年度のワシントンポストで全米一のフードタウンに選ばれたのは、ニューヨークでもロサンゼルスでもハワイでもなく、オレゴン州のポートランドなんです。
ここ数年、日本のメディアでも特集を組まれることが多くなってきたポートランドですが、まだまだ馴染みのない方も多いかと思います。
ポートランドはアメリカ西海岸に位置する、シアトルとサンフランシスコのちょうど中間にあたる街。街の規模こそニューヨークやロサンゼルスのような、いわゆる大都市ではないけれど、だからこそ地元コミュニティーが強いこの街で産み出される文化は、飲食、建築、アートなど様々な分野でアメリカのみならず全世界で注目されています。
アメリカの食文化というとジャンクフードや人工的な色のお菓子など、いかにも身体に悪そうなものを思い浮かべる方も多いと思いますが、実はアメリカのフードシーンはここ数年で飛躍的に進化していて、フレンチから和食まで他国の調理手法や食材を積極的に取れ入れ、アメリカ国民の健康志向も高まってヘルシーメニューが主流になってきています。
例えばポートランドでは、Stumptown coffeeに代表されるサードウェーブコーヒー、ドーナツやアイスクリームのクラシックなアメリカン・スイーツ、ヴィーガンやオーガニック食材のヘルスコンシャスなフードライフ、地元近郊で採れる新鮮な食材の数々、そして市内にあるフードトラックの数はなんと600軒以上。ポートランドに根付くDIY精神も伴い、クラフトビールやワインなど(ピノノワールやピノグリが有名)をはじめ、塩や蜂蜜、ジャムなどユニークなローカルプロダクトもたくさん楽しめます。

ポートランドのフードトラックの顔、Nong’s Khao Man Gai
ポートランドの飲食店の魅力は何と言っても肩肘張らないカジュアルさ。雰囲気も値段もカジュアルだけど、料理のクオリティーは抜群に高い。ニューヨークやサンフランシスコ等の大都市に比べて格段に物価が低いこともあり、上質な料理がもっと気軽な値段で楽しめるのです。ポートランドの街が持っている寛容さも相まって、カフェからレストランまで、オーナーの遊び心のある素敵なお店がたくさんあります。

奇抜なインテリアとドーナツが人気のVoodoo Doughnut
ちょうどいいサイズの街だから、ちゃんと美味しいものに、気軽に手が届く。ポートランドはそんな街です。
私は、ポートランドで2年間調理師専門学校に通いました。その前はニューヨークのブルックリンに1年間住み、語学を学びながらニューヨークのフードシーンを存分に満喫。そんな私の経験と思い出、ポートランドとニューヨークへの愛を生かして、”モダン・アメリカン”なレシピと食事情を”FeasTOKYO”で共有させていただけたらと思います。
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