前回の記事 で紹介したのはほうれん草の豆腐スプレッド。
メープル×シナモンの組み合わせは秋の定番。カナダを隣国に持つアメリカではもともとメープルシロップの消費量は多い方だったが、近年のヴィーガン・ブームの影響でメープルシロップの人気に更なる追い風が吹いている。
食生活から肉類や魚介類のみを排除するのがベジタリアンに対し、ヴィーガンは更に卵や乳製品といった肉以外の動物性食品も排除する。動物性というと家畜から産出されるものと考えがちだが、昆虫類も ”動物性” の定義に含まれるため、蜂から産出されるハチミツもヴィーガン食ではアウトなのだ。ゆえにハチミツの代替品としてメープルシロップ、日本ではあまり馴染みがないがアガベシロップなどが用いられることが多い。
このヴィーガンという食生活、実は日本食にとってはかなり厄介なのである。寿司やすき焼きがアウトなのは明白だが、問題は和食の基本とも言える出汁。カツオや煮干しなど魚介類から出汁を取ることでうまみを引き出すことが多いが、そうなってくるとカツオや煮干し、最近流行りのあごだしなんかを元にした出汁はヴィーガン食には使用できない。植物性の出汁、つまり昆布や干し椎茸から取らなければならないのだ。
ニューヨークに住んでいた頃、ルームメイトのアメリカ人の恋人がヴィーガンだったのだが、彼に日本食をリクエストされることも多かった彼女は出汁は必ず昆布から取っていた。また一般的なおにぎりの具なんかはヴィーガンではほとんどアウトで、鮭やツナマヨはもちろん、明太子やおかかも動物性なので、梅や昆布くらいしか選択肢がない。昆布最強説。
というわけで、今回のレシピは ”シナモンレーズンとメープルの豆腐スプレッド” 。豆腐とメープルシロップなのでヴィーガンにも対応。豆腐の大豆っぽさが気になる方はメープルシロップの分量を多めにしてください。
シナモンレーズンとメープルの豆腐スプレッド
材料:
木綿豆腐 1丁
メープルシロップ 大さじ2
レーズン 30 g
シナモン 小さじ1
塩 ひとつまみ
- 豆腐はキッチンペーパーにくるみ、電子レンジで4分加熱し良く水抜きをする。
- 水抜きした豆腐と残りの材料を全てフードプロセッサーまたはブレンダーに入れ、スムーズになるまで撹拌する。
- 容器に取り出し、冷蔵庫で最低2時間冷やす。
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