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ニューアメリカン料理とは?その定義と歴史背景を紹介

 

”ニューアメリカン料理”という料理ジャンルをご存知だろうか?

アメリカ料理から想像されるほとんどがハンバーガーやフライドチキンといったジャンクフードだと思うが、実はそれらの料理は1900年代頃から台頭し始めたアメリカの食文化初期のもので、現在アメリカの食文化は急成長している。ヨーロッパやアジアのように食文化に深い歴史を持たないアメリカでは、自国の食文化がまだ確立されておらずその定義に余白を残している部分も多い。

では、ニューアメリカン料理とは何か?

本記事ではニューアメリカン料理のメッカの一つでもある西海岸・ポートランドで調理師学校を卒業した私が、その定義や歴史、ムーブメントの背景などを紹介する

ニューアメリカン料理の定義

ニューアメリカン料理の定義に欠かせないポイントは以下の二点。

・一つの食文化に限定しない
・Farm-to-Table(ファーム・トゥ・テーブル)の概念

フランス料理の調理法を学んだアメリカ人シェフ達が、フランス料理のテクニックをベースにアメリカの食材や調理法を結合させて開発した料理がニューアメリカン料理の始まりだが、現在はフランス料理に限定されずアジアや中東、ラテンアメリカなど世界各国の食文化を広義に取り入れている。”イタリア料理”や”和食”のように一つの特定した食文化やジャンルに属さない料理が特徴だ。

また、”Farm-to-Table(ファーム・トゥ・テーブル)”の精神を大事にし、地元の生産者から仕入れた食材を使用することが多い。ファームといっても農園だけを指すわけではなく牧場や漁業施設、ワイナリーなど地元ソースであれば仕入元は多岐にわたる。

カリフォルニア料理の誕生

1980年代初期、カリフォルニア州で新しいスタイルのアメリカ料理が誕生したのだが、そのキーパーソンとなる人物がAlice Waters(アリス・ウォーターズ)だ。

1971年、地元産の旬なオーガニック食材を使うことをテーマにしたレストラン「Chez Panisse(シェパニーズ)」を、アリス・ウォーターズがカリフォルニア州バークレーにオープンすると感度の高いカリフォルニアの人々の間でたちまち人気を博し、このレストランがニューアメリカン料理の起源である「カリフォルニア料理」のパイオニアとして名を馳せることになった。

シェパニーズの成功を筆頭に、同店でシェフを務めたJeremiah Tower(ジェレミア・タワー)や「Spago(スパーゴ)」のオーナーシェフであるWolfgang Puck(ウルフギャング・パック)の活躍によりカリフォルニア料理は徐々にアメリカ全土に広がりを見せ、各地のシェフが州や都市独自の素材や文化背景を生かした料理でニューアメリカン料理として発展させてきた。

多民族国家とアメリカ料理の関係

アメリカの食文化がこのような形で発展してきたのは民族の多様性が大きな要因だろう。

多民族国家のアメリカでは人種別のコミュニティが各地で形成されているため世界各国のエスニックな食材が手に入りやすい。私が住んでいたニューヨーク・ブルックリンのアパートの近所でも2,3ブロック歩けばメキシカン、ベトナム、寿司、ペルー、中華、イタリアンなど多国籍な料理を味わうことができた。自分自身または親類がアメリカ国外にバックグラウンドを持つシェフが、自分の起源である国の食材を料理に取り入れることで独自の食文化発展に貢献してきた。

例えば、ニューヨークを中心にレストラン展開をしている「Momofuku(モモフク)」のオーナーシェフDavid Chang(デーヴィッド・チャン)は韓国系の両親を持ち、韓国はもちろん日本や中国などアジアの食文化に囲まれた自身のバックグラウンドを生かし、アジアの食材や調理法を積極的に取り入れたレストラン展開で成功を収めた。

ジャンクフードの普及により食文化に後れをとってきたアメリカだが、多様な食文化と創造性、貪欲な国民性を生かしてアメリカ料理に更なる磨きをかけていってくれることを期待している。

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