COLUMN

米Yelpが”Open-to-ALL”キャンペーン開始ー飲食店のダイバーシティ促進に向けて

アメリカの食べログ的存在『Yelp(イェルプ)』。

地元でブランチを探す時も、旅行先で流行りのレストランを探す時もアメリカ人ならほとんどの人がお世話になっている定番アプリが、Open-to-Allキャンペーンの開始を先月アナウンスした。このキャンペーンは不当差別禁止法の理解を深めることを目的としていて、加盟する飲食店があらゆる人種、国籍、性別、性的志向、宗教等に属する全ての人々を歓迎する意向をサイト上に明確に示すことで、顧客により安心・安全なサービス提供を保証する。

顧客は店舗情報の備考欄にある『Open-to-All』の項目でキャンペーンの参加状況を確認できる仕組みだ。

Yelpの備考欄は非常に充実していて、他にもジェンダーニュートラルトイレ(第3のトイレ)の有無が確認できる項目も設置されていて、マイノリティーの人々がより快適な飲食体験ができるような工夫がなされている。

このキャンペーンはコロラド州で起きた『同性婚ウエディングケーキ拒否事件』が発端になっている。2012年、コロラド州のケーキショップにウエディングケーキの作成依頼で訪れた同性カップルが宗教的な理由で店主の男性に作成を拒否されて訴訟を起こした結果、2018年6月に店主側の勝訴の判決が下された。同性愛者に対する差別と信仰の自由が争点になっていたこの問題は、裁判終了後も裁判結果を疑問視する声が多く上がっていて議論になっている。

今年4月にもフィラデルフィアのスターバックスで黒人男性に対する差別事件が大きな話題になった。合流する友人を待っていたため商品の購入をせずにテーブルに座っていた黒人男性二人に対してマネージャーが退出するように促し、男性らがそれを拒否するとマネージャーは警察を呼び黒人男性客は連行されてしまった。その場に居合わせた別の客が一連の状況を撮影しソーシャルメディアにアップするとスターバックスの対応は不当な人種差別だとして批判の声が広がり、スターバックスは翌月米国内の全ての直営店を一時閉店し、従業員に対して人種差別防止の教育を行った。

スマホとソーシャルメディアが普及した今、このようなアメリカの飲食店での差別行為は定期的に発生しては問題視されている。スターバックスのような資本力のある企業や店舗だったら一つの差別事件がきっかけで廃業に追い込まれるようなことはないけど、個人経営店の場合は差別防止を含む従業員の教育を徹底しておかないと一度でも起きた差別事件による社会の信頼をキープするのは難しい。Yelpのキャンペーンは開始して間もないので表明店舗もまだ少ないし、顧客として店選びの判断材料にするにはまだ時間がかかりそうだけど、店にとってはオーナーと従業員の意識を見直す良い機会になるかもね。

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